「富奥の虫送り」はすごい火祭り行事ですよ!必見です!(石川県野々市市)

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いしかわ観光特使で自称カレー特使のナマステです。野々市を勉強して、野々市博士!を目指しています。ってなわけで、野々市市は南北に長いんですが、南部側は「旧富奥村」といって、今では14集落からなる「富奥地区」と言われています。その富奥地区でかなり古くから行われている行事が「富奥の虫送り」です。実は全国各地でかなり昔から「虫送り」は行われていたんですが、どんどん減って行き、数えるぐらいになったそうで。その中でも「富奥の虫送り」は昔の流れを一番濃く受け継いでいる行事と言われています。しかも「虫送り」のルーツを調べたら、なななんと石川県発祥でした!ビックリ!
「虫送り」は7月20日前後の土曜日に行われて、誰でも参加できますので、大松明の点火はマジで必見ですよ!
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それでは「富奥の虫送り」を紹介しつつ、「虫送り」のルーツも。そもそも「虫送り」というのは、稲に付く害虫を追い払う神仏的というより呪術的行事なんです。そして、子供の時から教えられていたのは「害虫を一か所に集めて焼き殺す」と。怖い怖い(´ε`)でも、たぶんこの辺なら誰に聞いても同じ説明がされるはず。
なんですが、さらにルーツをさかのぼると、源平の戦いにまで至ります。源氏と平氏の戦いで木曽義仲が平氏に大勝した石川県と富山県の県境の「倶梨伽羅の戦い」ってのは有名ですが、そのまま京に向って進軍して、次に石川県加賀市付近で「篠原の戦い」が行われます。その時に、元々源氏でその後平氏に使えた「斎藤別当実盛」という有名な老武将がいるのですが、死を覚悟して戦いに出陣します。が、なななんと田んぼで稲に足をとられ、討ち取られてしまいます。無念!
余談ですが、片山津温泉近くに「首洗池」という怖い観光地?があるのですが、その斎藤実盛が白髪を染めて出陣したため、確認のために首を洗ったと言われている池なんですよ。昔知らずに、「首洗池ってなんじゃー!」って見に行きましたわ( ̄ー ̄)
話は戻って、稲に足をとられて無念! ってことで稲につく害虫(ウンカ)のことを、「実盛虫」とか言って、成仏してもらうために「虫送り」を行ったそうな。源氏も平氏にもいた有名武将なので、全国に「虫送り」が広がったそうですよー。ビックリですね!
「富奥地区」の14集落では、夕方暗くなってきたときに、各地域で提灯で掲げ、そこに集まります!

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そして、太鼓を演舞して、町内を練り歩いたりします。太鼓の音が聞こえたら、あー、もうすぐ集まらんなんなーって感じ( ̄ー ̄) で、ちょっと気になりませんか? バチが細くないですか? なんか「富奥の虫送り」では昔から使い切りの細いバチを使うそうですよー。うそーんって思って昔の写真見たら本当にそうでしたー。そして、子供達も叩きたい人は叩いてって感じですね。

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そして、小学生の子供たちは松明をもって出発です(´∀`) 松明は本当に写真のような松明や缶を吊り下げる形のものもあって集落によって、いろいろ長く持つように工夫されてますねー。子供の時は正反対の「藤平田(とへいだ)」という所に住んでいたのですが、ほぼほぼ同じ感じですね。そうそう、子供たちは少し早い夕方からせっせと松明作っていますよ~。

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イメージ的にはこーんな感じですねー。なんてのっぺりした顏! は置いといて、どんどん暗くなっていきます。今は外套とかで明るいですが、昔はこうやって松明の光で害虫をひっぱってくるんですよねー。

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どんどん暗くなっていきます。そうすると、遠くのあちこちで光りの列が。だって14集落から1カ所に向って集まってくるのでかなり幻想的な雰囲気です(´ε`) たまたま通った車とかビックリしますよねー。うちらは途中で止まって、他の数集落と一度合流して足並みを合わせますよー。自分が子供の時は、他の地区の友達と合流できるのがめっちゃ楽しみでしたね。

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そして、会場に近くなってきたら、ちゃんと消防団の方がいらっしゃって火を消してくれますよー。昔と違って安全、安心(´∀`) そして!

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メイン会場にとうちゃーく! 「野々市市スポーツランドふれあい広場」という芝生なんですが、新しい人はなんで芝生?って思われるかもしれませんが、もともとずっとここなんですよー。むしろ、この場所に芝生広場ができたというのが正しいのかな。今思えば、何故ずっとここに消防署があるのかって思いましたが、そういうことなのかしら(´ε`) そして、集落がどんどん集まってきて!

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「虫送り」に点火(´∀`)! ここからメインの始まりですね。さすがにある程度場所決めておかないと、すごい人なんですよ~。まず「虫送り」文字に点火した後に!

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大松明の周りに14集落の太鼓が輪になって置かれるんですよー。提灯がなかったらさっぱりですが、提灯のおかげでだいたい場所わかりますね。あんまし分かんないですが、微妙な場所取りとかやってんのかなー!

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そして、クライマックス! 夜8時頃に大松明に点火! なななんと高さ17m! 年々大きくなってんじゃないかってぐらい見事な大松明ですよー。あっ、ちゃんと太鼓の輪を囲むように消防車や消防隊が待機してますよー。いやーでもかなり近くまで行けますので、すごいですよ~。

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そして、大松明の周りで太鼓の乱舞! 競技ではないですが、競うように叩きまくってますねー。あー、バチが細い( ̄ー ̄)

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もうこれぐらいの距離で叩いてますよー。ビックリ! そして、ひとしきり大人が叩き終わると、子供達も叩かせてくれます(集落にもよります)。写真も子供ですよねー。って思ってたら!

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まさかのみんみんがやりたーい!って( ̄□ ̄;) 前の集落はそんなに子供は乗せてもらえなかったので、なんだか感無量ですね。って、まー、下でも持っている青年団の人たち、本当すげーですけどね。

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そんかこんなで、最後の写真撮れなかったんですが、大松明が小さくなっていって「虫送り」は終了です。出店も1~2店ぐらいしかなくお祭り的要素が少ないですが、昔からの行事を受け継いでて、逆に見てみるとすげっ!ってなると思いますよー。

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ちなみに、8時頃から逆に「子ども相撲大会」が始まります。こちらも実はずーーーっと昔からやってる伝統行事で、うちらの頃はこの辺にちゃんと土俵もあって、ある程度の人数しか出れなかったんですが、今は出たい子供たちがずらっと並んでいますよー。お菓子貰えるんで( ̄ー ̄) 出る気全くなかったくせに、友達がみんな出るので、思わずでちゃった娘(´ε`)

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そんなこんなで「富奥の虫送り」。見に来る分には誰でも参加できますよー。あまり知られてないのですが、民俗学者さん曰く、全国の虫送りで一番昔の形を受け継いでいるのでは!だそうですよ。それもそうで、斎藤別当実盛のお話が全国的にはそうですが、さらにこのあたりでは、加賀百万石の前田利家で有名な前田家の以前に加賀地方を収めていた、野々市の富樫氏が1488年に滅亡する際に、当主の富樫政親が一向一揆衆が城に向ってくる様を、稲の害虫(ウンカ)に見立てて、呪いの言葉を最後に言い池に身を投じた、とも言われており、野々市では富樫政親の霊魂をしずめるために、虫送りがずっと行われていたとも言われています。真実はわかりませんが、野々市では豊作の願いの他に、富樫氏のことが絡んでいると他の地域より、色濃く受け継がれているのかもしれませんねー。

誰でも参加できますし、見た目もスゴイですし、フォトコンテストとかもやっていますよー。もしよかったら、見にきまっしねー(´∀`)

富奥の虫送り
開催:毎年7月20日に一番近い土曜日
メイン会場:石川県野々市市中林5丁目(野々市スポーツランド ふれあい広場)
開会 午後7時45分 点火 午後8時予定



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今日の一言「少しだけ野々市博士に近づいたかな?まだまだ。」
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